スタッフ紹介

先輩

「 おい鈴木！！ここの加工間違ってんじゃねぇか！！ 」

鈴木

「 すみません！ 」

先輩

「 さっさと直せ！それまで休憩すんな！ 」

鈴木

「 はい・・・ッ 」

鈴木

「 はぁ・・・。疲れた・・・。俺は職長に言われた寸法に加工しただけなのになぁ、いつも俺ばっかり怒られる・・・ 」

土本

「 お疲れーっす 」

鈴木

「 あっ！お、お疲れ様です！！ 」

土本

「 あれ？今昼飯食べてるの？ 」

鈴木

「 え？あ・・・はい。まぁ・・・ 」

土本

「 君、ボード屋さんだよね？休憩ずらしてるの？それにしてももう１６時だよ？ 」

鈴木

「 はは・・・ちょっと一部ボードの寸法間違えちゃって直してたらこんな時間になってしまって・・・ 」

土本

「 … 」

土本

「 でも、君が加工していた寸法って、君んとこの職長が言ってた寸法じゃない？ 」

鈴木

「 えっ？どうして・・それを・・ 」

土本

「 ごめんね。作業場所近かったから聞こえてたんだ 」

鈴木

「 あー・・・そう、だったんですね 」

土本

「 …職長とそりが合わない感じ？ 」

鈴木

「 え…。いや、その・・・ 」

土本

「 良かったら相談に乗るよ。俺ああいう人苦手なんだよね。君もつらいだろう？ 」

鈴木

「 ええ・・、じ、実は・・・！！ 」

土本

「 そう言う事があったんだ。ひどい話だな。 」

鈴木

「 はい。４年目なのに給料も最初と同じまま変わらないし、なにより人間関係が難しくて・・・ 」

土本

「 それならさ、うちの会社来ない？ 」

鈴木

「 え？ 」

土本

「 うちの社長も相談に乗ってくれると思うし、会って話してみたら？ 」

鈴木

「 迷惑じゃなければ、話してみたいです・・・！ 」

土本

「 Ｏｋ！じゃあ今電話して伝えてみるよ。 」

土本

「 今日の仕事終わりに話そうってなったけど大丈夫？ 」

鈴木

「 はい、大丈夫です！ 」

土本

「 じゃあ現場の最寄り駅で待っててー、一緒に車で事務所に向かおうよ 」

鈴木

「 はい！よろしくお願いします！ 」

高橋

「 なんだよその職長・・・それでも現場責任者かぁ？ 」

鈴木

「 ハハ・・・ですよね・・・ 」

高橋

「 まだ若いのに一生懸命頑張ってんのに評価をしないその理由が分からん！うちに来ればみんな仲もいいし、部下に対してそんな扱いする人間は一人もいないよ。 」

高橋

「 鈴木くんが良ければ、ぜひうちで一緒に働かないか？ 」

高橋

「 うちは、防水やシーリング、下地補修から現場監督まで幅広くやっているんだ。未経験でも１からちゃんと教えるし、いずれ慣れてきたら現場監督にだってなってほしいって考えてる 」

鈴木

「 っ！高橋さん…。自分・・・一生懸命頑張ります！だからここで働かせてください！！ 」

高橋

「 もちろんだよ！これからよろしくな！ 」

土本

「 防水材は結構重いし、シートも重たいから無理して持たなくても良いからな 」

鈴木

「 これ位なら大丈夫です！ 」

土本

「 最初に防水する床のゴミを撤去、残したまま塗っちゃうとゴミがそのまま床に張り付くから気をつける様に 」

鈴木

「 はい！ 」

土本

「 そしたらこのプライマーを塗る。これは下地処理剤や表面処理剤としての効果があるんだ 」

鈴木

「 へぇ… 」

土本

「 俺と同じ様にやってみ？ 」

鈴木

「 はい！ 」

鈴木

「 土本さん。屋上の塗膜防水塗り終わりました 」

土本

「 おお！もう終わったのか！ずいぶん手際がよくなったなぁ 」

高橋

「 鈴木、お前はもう一人前だ。…そこで、だ！キャリアアップをしたいとは思わないか？ 」

土本

「 あの鈴木が今では現場監督で部下に教える立場か・・・こんなに上達するとはなぁ 」

高橋

「 俺もビックリだよ。…でも今でも言ってるぞ？土本さんが声をかけてくれて、前の会社から救ってくれたから今の俺があるんです！って 」

土本

「 俺は何もしてないよ 」